わたしはお客がひいたので愛子ちゃんにレンタル落ち商品の値札貼りの仕方を教えながら小さい声で言った。


『合コンで出会ったんよね。で、愛子ちゃんのことも聞いてるかも。』

そう言うと愛子ちゃんの手が止まった。


『何を聞いてるの??』

戸惑いをかくせないように言う愛子ちゃんに

『俊くんが片思いしてたこと?』


ちょっと語尾を上げて言うとため息をついた。

『簡単に言えばね。わたし、実はあいつに犯されかけたの。乳首舐められたところで逃げれたんだけどね。』


愛子ちゃんの衝撃発言に次はわたしの手が止まった。


ち、乳首舐められたって・・、淡々と話せる内容じゃないような??

しかも平然と言うとこがすごい。



そう思ってると売り場から孝浩くんと俊くんが帰ってきた。

そこでわたしたちの会話は終わった。

その先が気になったけど聞ける雰囲気じゃない。

そのとき、初めてわたしは俊くんと目が合った。

すぐにわたしは目を逸らしたけど、それに孝浩くんは気付いていた。


『新垣さん、ちょっとあっちに。』

孝浩くんは坂上さんにちょっと2人の指導を頼んでわたしを事務所のほうに行くように言った。

孝浩くんが・・・新垣さんって呼んだ。

バイト中はいつも新垣ちゃんって前みたいに言ってたのに・・・。


とりあえずわたしは孝浩くんと並んで事務所に向かった。

愛子ちゃんと俊くんが大丈夫なのか気になりながら。