矢野さんはすごく素敵な人だった。

仕事もすぐ覚え、挨拶も完璧で、人当たりもいい。

わたしは矢野さんとすぐ仲良くなれた。

いい友達になれそう。



『新垣さん、大人っぽいから最初同じ歳くらいかと思ったよ。』

『矢野さん最初見たとき、わたしは一目惚れしました。』

そう言うと矢野さんは嫌な顔して

『女には興味ないから!!』

と冗談っぽく笑いながら言ったので違うし!と否定しながらわたしも笑った。


孝浩くんも矢野さんは仕事覚えるの早いし、頼りになりそうだねと言っていた。



バイトが終わり、ロッカーで着替えながら孝浩くんに送ってもらおうと考えていると

『新垣さん、これから暇??ちょっとお茶しない??』

矢野さんから突然お誘いを受けた。



断る理由もなかったし、わたしはいいですよ。と言ってお茶に行くことにした。

ロッカーを出ると孝浩くんが待っていたので矢野さんとお茶してくるということを伝えた。

帰ったら連絡しろよ。という言葉をもらってわたしたちは近くのファミレスへ向かった。

大きな満月に照らされながら並んで歩き、いろんなことを話した。



『めっちゃラブラブじゃない??原口くんとはもう長いの??』

『今1ヶ月ちょっとくらいです。』

『今が1番幸せな時期じゃーん!!』

と笑顔でニヤけながら矢野さんは言った。

逆に矢野さんは?と聞くと

『んー・・4ヶ月くらい?あんま変わらないね!!』

と言った。