歩く街が酔っているせいでセピア色に見えた。


よくわからなくなりそうな思考回路をちゃんとひっぱっていってくれるかのように俊くんはカラオケまで一緒に行ってくれた。


カラオケに着くと、すでに男女が隣同士になっていて友美は恵介くんと隣で笑っていた。

わたしもフラフラしながら俊くんと隣に座って友美の友だちから飲み物が回ってきた。

頼んでもないのにまたビール。


みんな乾杯もせずに飲み始めていたのでわたしたちは2人で乾杯をして飲んだ。

『咲貴ちゃんはどんな曲歌うの?』

カラオケは音が大きいから近づいて、俊くんの顔がわたしの顔から10センチくらいの距離のところで聞かれた。

『うーん大塚愛とかかな!!俊くんは?』

ちょっとドキドキしながらも負けじと近くの距離で話した。



『俺はEXILEとか湘南とか!でも好きな歌手はMONGOL800なんだ!!昔から大ファンで。』

そう言ったときわたしは更にドキッとした。


わたしも実はMONGOL800が大好きで今日も来るときに携帯にダウンロードしている『夢叶う』などを聞いてきていた。

『うっそ!!わたしもすっごい好き!!』

その瞬間俊くんもまじでっ!?と言ってわたしの肩に手を置いた。



その行動を気にもしていないというような感じでわたしはテーブルの上にあるビールに手を伸ばし、口に含んだ。