そのあと、わたしは孝浩くんと一緒に帰り、車で2分の距離だが家の前まで送ってもらった。

『明日、覚悟してバイト行くことにする。』

そう言うと


『なんかあれば言えよ。俺のせいなんだし、咲貴はちゃんと守ってあげるから。』

そう言って頭を撫でてくれた。



わたしはありがとうと言って孝浩くんのほうにもたれかかった。

不安な気持ちを察したのかすぐにわたしを包んでくれた。

そして、わたしたちは見つめあったあと、この夜、初めてキスをした。



軽いキスだったけどちょっとだけ恥ずかしくて触れた後そそくさとわたしは帰るね。と言って車を降りた。


車を見送った後、家に入ると幸せというものを実感した。


顔はニヤけてしまうし、さっきまで沢村さんのことで悩んでいたのにあの言葉、そしてあのキスで少し薄まった。



わたし、孝浩くんと付き合ってほんとによかった。




『咲貴?ちょっといい??』

わたしがそんなことを思っていると2階から理沙ちゃんの呼ぶ声がした。

鍵の閉まっていなかった玄関を完璧に施錠して2階にわたしは行った。

『2人とも、また鍵してなかったよ!!』

部屋に入るなりわたしは言うと、2人は深刻そうな顔をしていた。