前は、花の香りを楽しんでいる紅葉に言った。

「え?どんな意味があるの……?」

前は、ピンクの花を指差した。

「ペチュニアの花言葉は、あなたがそばにいると心が和む」

そして、花を次から次へと指差し、花言葉を言う。

「デルフィニウムの花言葉は、あなたは幸福を振りまく。ダリアの花言葉は、感謝。ガーベラの花言葉は、希望」

そして……赤いバラの花。

「バラの花言葉は、……私はあなたを愛する」

「えっ……」

時がまた止まる。二人は、バラのように赤い顔を見つめあった。

恥ずかしくて、前は目をそらす。

「……ずっと…あなたが、好きです。僕と付き合ってください」

恥ずかしくて、生まれて初めての告白に、前の体は震えた。その時、頰に柔らかな感触が触れる。

「……私も好きだよ。ずっと前から」

紅葉が、前の頰にキスしたのだ。前は嬉しくて笑う。

二人は、王子様でお姫様。お互いを守って歩んでいく。