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ピッピッピッピッ

一定音を刻み続ける機械。それ以外に聞こえる音はなく、怖いくらいに静かだった。

窓からは光が差し込んでいて、その光はベッドで静かに眠っている秀の体を美しく照らした。

だけど、秀の声は聞こえない。聞こえることがない。

「秀。」
「…。」
もちろん返事もない。

俺は、今すぐ立ち去りたい気持ちをいつも通り精一杯堪えて秀の寝顔を見つめた。

「秀。」

そっと、秀の頭をポンポンと撫でて。
「眩しいよね。カーテン閉めるから。」

ベッド脇の椅子から立ち上がると、光が差し込んでいる窓の横についている白いカーテンをしめた。

サーッ

不意に風が吹いて、カーテンがひらめいた。

カーテンの内側にあった「ブルースター」の花束が見えた。

青い花はお見舞いには本当は避けた方がいいのだけれど、
どうしても秀は青い花がすきだったから俺が持ってきたものだ。