コンコン……、ガラガラガラーーー……。
佐古
「失礼します。」
椿
「あ、やっと来た。」
寺内
「……………?」
佐古
「あ、どうもすみません遅れまして、この子の担任をしている、佐古と申します。」
寺内
「あぁ、椿ちゃんの学校の先生、わざわざどうも。」
佐古
「……?お知り合いで?」
椿
「前からお世話になってる寺内先生。」
寺内
「寺内です、いつも椿ちゃんがお世話になっているみたいで…」
佐古
「あ、いえいえそんな!それで……この子の傷の方は……。」
椿
「かすり傷。」
寺内
「ええ、傷も全然深くありませんから、薬を塗ってガーゼで止めておけばすぐに良くなるでしょう。」
佐古
「………縫わなくて、いいんですよね?」
椿と全く同じ質問をされ笑いだす寺内と、隣でクスクスと笑う椿を見て不思議そうな顔をする佐古。
寺内が首を縦に振ると、佐古は安堵の笑みを浮かべた。そんな佐古に椿は気付きもしないが、寺内は少し違った。
