自分より大切なもの






   ガチャっ。






佐古
「ハイお待たせ致しました、お嬢様。」



椿 
「……待たせ過ぎだろ。」



佐古
「はぁ〜、可愛くねぇな……。」



椿
「……………。」






   ドキ……………、ドキ……………。




 

・・・やばい。息が、上手くできない……。何、話せばいいの……?






 狭くも広くもないSUV。リュックが後部座席にひっくり返っている以外は、車内は意外とキレイに片付いている。あまり物を置きたがらない性格なのだろう。
ふと気が付くと、佐古の顔が目の前あった。












 ……………っ!!!!!






椿 
「………っうわぁ!!!!」








  バチンっーーー!!







・・・な、なななに??!