自分より大切なもの






・・・でも何だかんだ言ってるうちに、もう残すところあと一週間か…。あっという間だった。もうちょっとだ、頑張ろう。






   ガラガラガラーーー。







・・・今日も一番乗りか。補修始まる前にジュースでも買ってこよ。






 椿が鞄を机の脇に掛け、校内にある自動販売機に行くため再び廊下へと出ようとした瞬間………。






    ドンっ…………!!






椿 
「っ………?!」




 突然、前から何かに衝突された。





「ったぁ……。」




 それは、夏樹よりも早く教室に着いた、メグミだった。




椿 
「あ……ごめん。」




 椿の顔を見た瞬間、メグミは鋭い目つきで椿を睨め付けた。




愛 
「チっ…お前かよ。ごめんじゃねぇよ。」



椿 
「…………」






・・・こっちは謝っただろ……なんかムカついてきた。






愛 
「どこ見て歩いてんの?バカなの?」



椿 
「………ごめんって言ったじゃん。」



愛 
「は?ボソボソ喋ってんじゃねぇよ気持ち悪ぃな。」




 無表情だった椿の顔が怒りの表情へと変わってゆく。




椿 
「肩ぶつかったぐらいでガタガタうるせぇ…。鏡なんか見ながら歩いてるお前にも問題あったろ。」



愛 
「は?てめーもういっぺん言ってみ?」



椿
「そんな一生懸命になって鏡 覗き込んだってその残念な顔は変わりはしないよ。」





 恥を感じたメグミの顔が、赤くなっていく。






「はっ?いやお前に言われたくないから(笑)」



椿 
「うっせ、だまれ、ブス。」





 メグミの怒りが頂点に達した…次の瞬間……!














   ガシャァーンっっ…………!!






 椿 
 「………………っ?!!」




 ガラスが割れるような凄まじい音と共に、バラバラになった鏡の破片が廊下の上に散らばってゆく……。




愛 
「……バーカ、調子のってんなよ。」






・・・何がどーなったの……あたまが、痛い……。







   ポタ………。