何でも、入部する時にドコトカ大学の入試問題を

解かされるって噂だ。

(まあ、この先輩が数研部員だったのだから、所

詮噂は噂なんだろうな)

「ねぇ、私ってどんだけバカだと思われてんの?

一応先輩なんだけど!」

プッ、と頬を膨らませて、いじけたように言う先輩。

……可愛い。

フワッと巻かれた長い髪、卵形の小顔、パッチリ

した目、すっと通った鼻筋、そして小さめの唇。

スラリと伸びた手足、「華奢」という言葉をそのま

ま表したような体型。(胸が小さいのが欠点……)

誰もが欲しがるパーツの全てを兼ね備え、口を開

かなければ通称「高嶺の百合」。ちなみに口を開け

ば「アマリリス」。本人は「アマリリス、いいじゃ

ん!華やかで可愛い!(私ピッタリ)」と言ってい

る。が、アマリリスの花言葉は「おしゃべり」。

それこそ先輩にピッタリだ。