学校があるとわかっていても、あたしの体は重たかった。


もうこのままずっとベッドに横になっていたい気分だ。


「真奈美、いるの?」


ノック音と渚の声が聞こえてきてあたしはどうにか「いるよ」と、返事をした。


もう登校しなきゃいけない時間になっているけれど、あたしはまだパジャマ姿のままだった。


「もう学校に行くけど、体調でも悪いの?」


「うん……ちょっとだけ」


本当は体ではなく精神面の問題だったけれど、あたしはそう答えた。


「そっか。じゃあ無理せずにね」


そう言い渚が遠ざかって行く音が聞こえて来た。


まだ寮内に残っている生徒はあたしくらいかもしれない。


それならこのままもう1度眠ってしまおう。


そう思って目を閉じた時だった、再びノック音が聞こえてきて目を開けた。