浅川高校の入学が決まったときは本当に嬉しかった。


そのキラキラとした感情は、いまやどこにもいなかった。


明日もイジメ.COMからのメールが来る。


明日も誰かがイジメて、誰かがイジメられる。


それができなければ、制裁される。


その恐怖心が思考回路まで全部を支配してしまっているような感覚だった。


「真奈美、いる?」


自室で教科書を広げていると、ノック音と友に渚の声が聞こえて来た。


「いるよ」


そう言ってドアを開けると、美文も一緒にいた。


「どうしたの2人とも」


「明日の朝、30分早く登校することになったんだって」


「え?」


あたしは渚の言葉に瞬きをした。