私が茶化すようにそう笑うと渚くんは私の頬を手で掴んだ。 「ふぁっ、なぎさふん……?」 「……夜覚えてなよ」 色っぽくそう言う渚くんに私はボンっと顔を赤くした。 浴衣姿でそんなこと言うのはやめてほしい。 心臓に悪い…… 「鍵は俺持ってるからね」 渚くんは私の頬から手を離し先に部屋をでようとした。 「……ありがとう」 そして私たちは部屋を出て隣の藤井サブと依智兄の部屋のドアを叩いた。