プゥゥゥーーーーーーーー


トラックのクラクションが暗い街に響き渡る。


友貴真唯(ゆうきまい)。


俺が唯一愛した人。


この世界で1番愛しい人。


でも。


この世界には、もういない。


会いたい。


俺が、あの時、「じゃあな」と言わなければ、

俺が、真唯を、家まで送ってあげていたら。

彼女はまだ俺の隣で笑っていたのかもしれない。


戻りたい。彼女が死んだ、あの日に。

戻りたい。



「戻りたいか?」

どこからか、声がした。

ハッとして顔を上げるとそこには、
少女がいた。

いや、少年、、、?

男か女か分からない幼い人が目の前にいた。

白い無地のワンピースをまとい、
不思議な雰囲気を漂わせている顔立ちの
美しい人だった。

「戻りたいのか?」

不思議と心地よい声で、俺に向かった
語りかける。

「戻りたいなら、戻らせてやる」

そして、一息置いて、もう一度俺に
語りかけた。

「ただ、お前の思う通りに、行く訳では無い。
それでも、戻りたいか?」

何を、言っているんだ、コイツは。

それでも、俺は無意識に頷いていた。
真唯を救えるのなら、俺はーーーーーーー。