(え、どうしよう、星野くん、待ってもらうの、日を変えるの?私、あれ、何て言えばいい?)

きっと情けない表情をしていたのだろう、おそるおそる星野くんの方を見ると、星野くんは笑いをかみ殺していた。
そして口をパクパク動かす。


(”ま””つ””よ”)


―待つよ。


そうして机を人差し指で指し示す。

教室で待っていてくれるということらしい。

ごめん、の意味をこめて手でジェスチャーする。

いつのまにか”フツー”に星野くんとコミュニケーションをとっていることにびっくりする。


(はやく、はやく戻ってこよう)


早く言いたい。


貴方が好きだって。


大好きだって言いたい。


どう思われてるかわからないけど、そんなことより、この思いはもうごまかせないと思った。


ごまかしたくないと、思った。