昼休み、私はお弁当を食べながら星野くんのことを視界の端にとらえていた。
星野くんのいる男子グループはよく目立つ。
赤茶けた髪の八坂君を筆頭に5人、見た目が派手な男子が集まっていた。
その中で、一風地味な星野くんだけれど、女子の間では隠れイケメンとして人気もあるようだった。
そんな人と、朝のあいさつができるだけで奇跡みたいだなと思っていた。
(世界が違いすぎるもんね・・・私とは・・・)
「ちょっと、美羽、きいてるの?」
ぷりぷりと、怒ってるぞうと顔をつくって千歳が顔を近付けてきた。
「ごめん、ごめん、何だっけ」
「だからー、『恋だけしたいの』の新刊の話だよー」
「あ、そうだったね」
笑いながら話題へと戻る。
好きな本やマンガの話で盛り上がり、親しい友人とだけ話す、私たちの世界は完結していた。
これが現実だ。
名残惜しむように、視界の隅に星野くんをすべりこます。
気になる。
気になってしょうがない。
何を話してるの?どんなことが好き?
もっと星野くんのことを知れたらいいのに。
でもそんなこと、ありっこないのだと心の中では諦めていた。
星野くんのいる男子グループはよく目立つ。
赤茶けた髪の八坂君を筆頭に5人、見た目が派手な男子が集まっていた。
その中で、一風地味な星野くんだけれど、女子の間では隠れイケメンとして人気もあるようだった。
そんな人と、朝のあいさつができるだけで奇跡みたいだなと思っていた。
(世界が違いすぎるもんね・・・私とは・・・)
「ちょっと、美羽、きいてるの?」
ぷりぷりと、怒ってるぞうと顔をつくって千歳が顔を近付けてきた。
「ごめん、ごめん、何だっけ」
「だからー、『恋だけしたいの』の新刊の話だよー」
「あ、そうだったね」
笑いながら話題へと戻る。
好きな本やマンガの話で盛り上がり、親しい友人とだけ話す、私たちの世界は完結していた。
これが現実だ。
名残惜しむように、視界の隅に星野くんをすべりこます。
気になる。
気になってしょうがない。
何を話してるの?どんなことが好き?
もっと星野くんのことを知れたらいいのに。
でもそんなこと、ありっこないのだと心の中では諦めていた。


