そんな朝の時間が始まって数日たった後、私の周囲に少しの変化があった。


星野くんと話していると、色々な人が話しかけてくれるのだ。

「おはよっス、本條さん」

星野くんグループで、星野くんの親友の八坂くんをはじめ、

「本條さん、おはよー」

星野くんグループと仲のいい女子グループのリーダー格の柳さん。

二人をはじめとして、私はクラスの大部分から声をかけられるようになった。


「お、おはよう」


ぎこちなくあいさつを返しながら、自分がドキドキしているのがわかった。

数人の仲の良い友達だけでできていた自分の世界が変わろうとしている。

新しい世界が広がっていく、期待のドキドキだった。

そんな心境を知ってか知らずか、星野くんはこう言ってくれた。


「何か、明るくなったね」


元々おとなしい性格を自覚しているので、これにはびっくりした。

「そうかな、変？」