「分かった。
それより、疲れただろう。
プリンも食べたし…………
もうひと眠りするか?」

腰を抱いて、ベットに降ろそうとしたら

「イヤイヤ、こうしてて。」と

再びぎゅっと抱きついた。

「分かった、分かった。
何処にも行かないし、このままでいるから
安心しろ。」

不安そうな咲を宥め

抱きしめた腕に、力を込める。

病気して弱っていたところに、俺の看病で

甘え癖がついたみたいだな。

まぁ、うれしいけど。

「咲が完璧に治るまで、店を閉めてるから
ずっと一緒だぞ。」

俺の言葉に、さすがに驚いたらしく

マジマジと顔を見る。

「………………お店…………大丈夫??」

「あぁ。
治ってから説明するするつもりだけど。
店は畳むか、ささに譲ろうかと考えてる。」

『えっ!』と驚いたものの

俺の決めたことだからと

口を挟むのを止めた。

「そっかぁ。
圭ちゃんが…………良いようにしてね。
私………………ついていくよ。」というだけだった。

俺自身、まだ具体的には決めてない。

ささの将来はもちろん

咲の仕事にも、影響する事だから。

考えても………中々答えが出ないというのが本音だ。

とは言え…………

遠くない日に、答えを出さないといけない。