「咲…………。
おばさんが、幼稚園に訪ねて来たんだって?」

まだしゃんとしていない間に聞いてみる。

一瞬、体を強張らせ

「おばさん………って?」と聞いてきた。

しらを通すつもりか?

「………………俺のお袋。
彩ちゃん経由で聞いた。」

彩ちゃんの名前が出たことで、隠せないと判断したのか

「うん。」とだけ答えた。

「ごめん。
思ったより早くバレて対策もしてなかったし……
咲にも話せず、不安にした。
体調が戻ったら、説明するな。
ホントにごめん。」と謝った。

「大丈夫。
訪ねて来られて直ぐ
圭ちゃんのお母さんだって分かったから。
………………圭ちゃんは、怒るかもしれないけど………
パッと見て分るくらい…………そっくりだから。
彩先生も『咲、圭ちゃんにそっくりな人が
咲に会いたいって来たよ。
圭ちゃんに連絡する?』って聞いたくらいだもん。」

「だったら、連絡してくれば良かったのに。」

「揉めそうだったら、連絡してたんだけど………
ホントに私を見たかっただけらしくて
お菓子の差し入れを頂いて、挨拶をして終わったの。
帰って報告する前に、倒れちゃったけどね。」

一応、隠せることじゃないと分かってるらしい。