「ほらっ、乾かしてやるからドライヤーを貸せ。」

シャワーから出てきた咲を、ソファーに座らせ

バスタオルで拭いてやる。

その後、ドライヤーをかけながら頭を撫でてやると

「圭ちゃん。
もしかして…………………さっきの電話…………聞こえた?」

さりげなさを装っているが………

かなり緊張してるんだろう。

「あぁ。」

「そっかぁ……………。」

落ち込む頭を、もう一度撫でてから

「ヨシ、乾いた。」と言って、ドライヤーを置き

隣に座る。

「………………………ごめんなさい。」

それは、何に対して?

「うん?」

「ウソをついてたから……………。
初めてだって…………思ったでしょう?」

申し訳なさそうな顔をするが………

俺は別に、処女にこだわってない。

ただそう思わせ、咲を苦しめたのだと思うと…………反省する。

「咲。」

抱き寄せて、膝に乗せ向かい合えば

目線が同じになる。

下を向こうとする咲の頬に、手をあて固定すると

それでも目線だけは、下を向ける。

「咲、こっちを見て。」

俺の言葉にようやく目線を合わせると、じんわり潤んでた。

追い込んでたんだろうなぁ。