神殿を指差し、早くそこへ行くように促す彼の必死の表情に、エドガーは決心すると、落ちていた毛皮のコートを拾い、ロニィの身体を覆った。


「…それじゃあ…ロニィ、行ってきます!」

「あぁ…頑張れよ…決して途中で諦めるな!」

「うん。」

ロニィの笑顔に背中を押され、エドガーは薄暗い神殿の中へ歩みを進めた。
彼女の姿が、神殿の中に消えたのを確認すると、ロニィは深く息を吐いた。

(エドガー…元の姿に戻ったら、今までの分も…幸せになるんだぞ。)

そう心の中で呟くと、ロニィはピクリと身体を震わせた後動かなくなった。
真っ直ぐに空を見つめた、彼の紫の瞳から命の輝きが消えた。