光の後に現れたのは、白銀の地金に金の縁取り、宝玉のついた甲冑姿のエドガーだった。

「うわっ、何これ…かっこいい甲冑!」

「気に入ったか?」

「うん。」

「そうか…それは良かった。“これからはそいつがお前を守る”ちゃんと防御魔法もかけておいたぞ。」

「うん。」

「さぁて…俺も身支度をするかな。」


パチン


再び光がロニィを包み、数秒で輝きは消えた。
金糸で縫われた美しい刺繍に縁取られた漆黒の魔導師の正装、首には沢山の魔石の付いた胸飾りを下げ、黄水晶が填め込まれたロッドを手にしたロニィの表情は、緊張にキリリと引き締まっていた。


(いよいよだな…。エドガー、頼んだぞ。)

ロニィは意を決すると、エドガーを伴い閉ざされた扉の前に立った。


“待たせたな…。俺達ベリエルの民の始祖…英雄スルト…。”


彼は小さく呟くと、扉に刻まれた古代文字に視線を走らせた。
エドガーは、両手を固く握りしめたまま、ロニィの背を見つめていた。