ついに国王レオルドより、ロニィ達に第三の課題が命じられた。

彼らは慌ただしく食事を終えると、旅の支度に取りかかった。
旅の支度とはいっても、それ程大袈裟な準備ではない。
必要な物は、望めばロニィが魔法で用意することができる。
極端にいえば、身体一つでも出発する事は可能なのだ。


ギィ…

エドガーは玄関のドアをゆっくりと開けた。
しかし、強い風に煽られ、重たい杉材のドアは大きな音をたてて勢い良く開いた。


「うわぁ、いよいよ吹雪いてきたよ。出発の朝にはふさわしくない天気だなぁ。」

「全くだ…。厚めのオーバーコートを着たのは正解だったな。」

ロニィはそう言いながら、隣で寒そうに体を縮め、足踏みをしているエドガーの頭に毛皮の縁がついたフードを被した。

「この先市街地を抜け、街道沿いに北東へ進む。今からだと夕方にはオーランドに着くぞ。」

「…うん…。」


二人は歩き出した。
少し水分を含んだ雪が、真正面から吹き付け、彼らは掌を額に翳し、目を細め前方を透かし見る様にしながら進んだ。
冷たい冷気が、見る間に濡れた髪や睫をカチカチに凍らせていく。