「…って訳で、今回の餞別は神殿の場所を記した地図のみ!途中オーランドの街で一泊して行くといい。コイツは宿代だ。」

そう言うとレオルドは、丸めた羊皮紙を食卓に置き、ポケットから金貨を一枚取り出すとロニィに向かって指先で弾いた。


パシッ

ロニィは左手で金貨を受け止めた。
そのわずかなやり取りの間に、レオルドと彼の視線が交錯した。


(ロニィ、気をつけろよ。)

(バァカ!お前らしくねぇんだよ。)

それきり二人は視線を合わさなかった。

レオルドは、食卓のカットフルーツを一切れ口に頬張るとスカイヤード家の面々に軽く手を挙げ、立ち上がると指をパチンと鳴らし、姿を消した。


「エドガー、俺達も食事が済んだら出かけるぞ。」

ロニィは、そう言うと冷えて固くなったハニーバタートーストにガブリとかぶりついた。