「ロニィが何故不機嫌なのか…。その訳は…出かける時が来たと悟ったからさ。」

「出かける時って…もしかして第三の課題?」

「その通り!かくいう俺もその事を伝えようとわざわざ出向いて来たのだが…無駄足だったかな?」

「別に…。」

旧友の意地の悪い問いに、ロニィはムッツリと答えた。
レオルドは、その様子に少し満足げに頷くと、更に話を続けた。

「手っ取り早く伝えさせて貰うが、第三の課題はアウグスト火山にある“デュカキス神殿”という古代神殿の探索…。」

「古代の神殿を探索?それだけ?」

「エドガー、話は最後まで聞くもんだぞ。課題は堅く閉ざされた神殿の扉を開ける事。だが、扉を開けるには何らかの呪文が必要だ…。そいつを探し出さなくてはいけない。扉は巨大な石でできているが、怪力のお前でも破壊する事は無理だぞ。」

「あ~あ、レオルドってホントに意地悪だなぁ。最後ぐらい簡単な課題にしてくれたっていいじゃん。」

エドガーが、ふくれっ面でレオルドを睨み付ける。


「なぁに、お前には偉大な魔導師ロニィ・シーブリースがついているんだぜ。そいつは古代文字のスペシャリストだ。呪文なんて簡単に見つけるさ。そうだろう?ロニィ」

「ああ…。」

ロニィは相変わらず気のない返事をした。