「壊したって…エドガー?」

俺は、右の眉を吊り上げ、エドガーを睨みつけた。


「だってさぁ…。ロニィが…ロニィの怪我が酷かったし、急に倒れちゃったから…僕、訳が分からなくなって、気がついたら氷の剣で森をバッサリ…。」

「…そういう訳だ。納得したか?」

「…そういう訳か…。」

レオルドの軽口を思わず繰り返す。


何気なく俺は、両手に視線を落とした。
摩擦熱で焼け焦げ、千切れかかっていた指には、治療が施され、丁寧に包帯が巻かれていた。


「星の欠片を見つけた時点で課題は終了にしてやろうと思っていたのに…まさかソイツを素手でもぎ取ろうとするなんて、お前らしくない無茶をしたものだな。」

「…。」

「とりあえず、治癒魔法をかけておいたからな。数日間無理をしなければ、指も動くようになるさ。」

レオルドは、そう言い終えると、パチンと指を鳴らした。


シュウゥン

俺達のリングに、二つ目の灯りが灯った。