「ロニィ…。」

彼女は、涙と煤でグチャグチャになった顔を上げた。

「ひでぇ顔だな…。」

俺は、シャツの袖口でエドガーの顔を拭いた。

「あ、ロニィの匂いがする。」

彼女は、まるで幼子の様に少し擽ったそうな表情を浮かべ、されるがままになっている。


ズキッ

胸が痛い。


(エドガー…。)

俺は、彼女の身体を引き寄せ強く抱きしめた。

「ロニィ?」

胸の中で彼女が小さな声をあげた。

少し身体を離し、エドガーの顔を見つめ、俺は彼女にキスをした。
唇を通して、僅かな震えが俺の身体に伝わってくる。
唇を重ねたまま、再び華奢な身体を抱きしめると、小さな吐息が漏れた。

「ロニィ…大好き。」

エドガーが、俺を見上げた。
その、エメラルドグリーンの瞳を俺は覗き込んだ。
潤んだ瞳の輝きが美しい。


(…ん?)

その中に、明らかに違う輝きが宿っている。
それは、言葉では表現できない輝き…そいつは俺の魂を強く揺さぶった。


「見つけた…見つけたよ、エドガー!」

俺は掠れる声で、エドガーに囁いた。