「ロニィ…一体どうしちゃったんだろう…。真実の鏡に何が映ってたのかなぁ。」

エドガーは、森の奥に消えたロニィを気遣い、小さく独り言を漏らした。身を屈めて、鏡の破片をのぞき込むが、そこには何も映っていなかった。

「…ロニィにとって何か良くない悪い事が起きてるのに違いないのに…僕はロニィに何もしてあげられない。何の役にも立ちやしない…。」


エドガーは、深く溜息をつき、満天の星を見上げた。


(星の欠片は何処にあるんだろう。あと二つ…二つの課題さえクリアすれば僕は元の姿に戻れるかもしれないんだ。勿論僕自身のために、そのことを強く願うけど…僕はロニィが好きだから…彼とずっと一緒にいたいから…彼に相応しい女性になりたいんだ。)

「彼を思う気持ちが愛情だって事…やっと分かったよ。」


パチパチッ

森から拾ってきた枯れ枝が勢い良くはぜた。
火の粉が舞い上がり、辺りを明るく照らした。


(ロニィ、お腹空いてないのかなぁ…。)

エドガーの視線が、パンと蜂蜜、そしてバターに吸い寄せられた。

「そうだ!ロニィの為にハニーバタートーストを作ろう!ふふっ、何てったって男のロマンだもんね♪これを食べれば、ロニィも元気が出るよね!」

エドガーは、独り言を漏らすと、ニッコリと微笑んだ。