「クソッ」

俺は感情の乱れるまま、ひとしきり暴れた後、荒い息を吐きながら冷たい地面に、ゴロリと仰向けに寝転んだ。


(真実の鏡…アイツが映した事が事実ならば、俺はどうしたらいい?)

偽物(Fake)の星空を睨みつけ、俺は溜息をついた。


(レオルドは、全ての課題をクリアしたら願いを一つだけ叶えると言っていた…。だが、このままでは三つ目の課題の完了は難しい。)

エドガーの願いは19歳の乙女の姿に戻ること。
そして…俺の願いは…。


ズキン!

彼女の事を考えると激しく胸が痛む。
ローブの上から強く胸を押さえ、痛みが薄れるのをジッと待つ。
そうしながらも、ここまで一気に考えてみた結果は堂々巡り…そして…。

(…決めた!)

「えーい、やめやめ!」

心の中で一つの決断をした。


(勿論それが100%良策ではないとしても…何もやらないよりはマシさ。)

俺は、大声で吠えると勢い良く体を起こし立ち上がり、木々の間にチカチカと光る焚き火の炎を目指して歩き出した。