「おはよー!」

エドガーが、突然パッチリと目を開けた。

「えへっ、今ね、ロニィのすご~くいい顔見ぃちゃった♪」


(へっ?)

「まさか、お前~っ!さっきから起きていたのか~っ!」

エドガーを指差し、俺は口をまるで魚のようにパクパクさせながら後ずさった。


(聞かれたっ!見られたっ!こいつに独り言も…全部っ!)

「そう!ずーっと♪ロニィの寝顔可愛かったよ~。そういえば、寝言も言ってたかも~♪」

「うっ…コノヤロ~!」
「ねぇねぇ、僕の寝顔を見ながら何考えていたの?教えてよ。」


(この、小悪魔~!)

俺は、奴の質問を無視すると、バタバタと身支度を終え、氷の剣をひっ掴みエドガーに向かって投げつけると、イライラと叫んだ。

「おい、いつまでそこでくつろいでいるつもりた?さっさと身支度を済ませろ!星の欠片を探しに行くぞ!」


(何やってんだ…俺は…。)

俺は戸惑っていた。
エドガーの事を考える度に胸に走る痛みに…。
俺の体に異変が起き始めている。
嫌な予感を振り払う様に、俺はインチキ臭い満天の夜空を睨みつけ、切り絵の森へ向かって歩き出した。