ゴーン…ゴーン


教会の鐘の音が時を告げた。


「レオルド…お別れの時間だわ。」

腕の中でソフィーが小さく囁いた。

「…。」

俺は静かに彼女から身体を離すと、美しい顔を見つめた。

その時、甘い香りの風が俺と彼女の間を隔て、吹き抜けた。

「レオルド…私はこの風の様に貴方の側を漂っています…永遠に…。」

風が通り過ぎた後、ソフィーの姿は消えていた。

「さよなら…ソフィー。」

俺は呟くと、両手で顔を覆うとその場にガクリと膝をついた。