「まぁ、そう朝からカリカリしないでよ。それよりさぁ、今日は国王の課題が届く日だよ!」

俺の隣で、置いて行かれまいと必死に歩きながら、エドガーは機嫌よく話しかけてくる。

「課題か。どうせくだらない内容なんだろうな。面倒くせぇな。」

俺は素っ気なく答えると、食堂のドアを開けた。
そこには俺とエドガー、そしてアホ親父の分の食事か用意されていた。

「親父はまだ起きてこないから、先にいただいちゃえ♪」

エドガーは無邪気に言うと、カゴに入った焼きたてパンを掴むと旨そうにかじりついた。


(こうやって見ていると、普通のガキなんだけどな…。なのに夜はダイナマイトボディーの美女に変身って…ギャップがありすぎだよなぁ…。)

未だに覚醒しない頭を無理矢理働かせながら、俺はパンにハニーバターをベタベタと塗りたくった。

「うわっ、メッチャメチャ甘そう。ロニィって意外と味覚がガキだね。」
相変わらず口の回りを食い物でグチャグチャに汚しながら、エドガーは俺の手元を覗き込み、せせら笑った。

「うるせーな。ハニーバターは男のロマンだ。馬鹿にするな!」

そう言いながら、俺は奴の顔にナプキンを叩きつけた。

「痛っ、酷いや!」

ブツブツと文句を言いながら、エドガーはナプキンで口を拭った。