「うっ…クフッ…ゲホッ」


エドガーの膝の上で、ロニィがまるで陸に上がった魚のように酸素を求め、激しく呼吸を始めた。
今まで縮んでいた肺が、貪るように空気を取り込み、彼は苦しげに地を転げた。

やがて呼吸が整い、落ち着いたロニィはゆっくりと上体を起こすと、エドガーとレオルドの顔を怪訝そうに見つめた。


「…おい…これはどういうことだ?」

開口一番、ロニィは周囲を見渡し低く呻いた。


「ああ…ロニィ…良かった!帰ってきたんだね!」

エドガーが涙声で彼の首に抱きついた。

「…エドガー、お前ガキのまんまじゃねぇか…ってまさかお前!」


「うん。元の姿に戻るの…やめちゃった。」

「はぁ?バカかお前は!それじゃあ俺の…俺の気持ちは…俺の願いはどうなるんだよっ。」


エドガーを引き剥がし、ロニィは怒りに身体を震わせながら彼女を睨み付け、大声で怒鳴りつけた。

(ロニィの奴、相当頭に来てんな…それにしても、人が必死に生き返らせてやったのに、帰って来るなりコレかよ…さて、とばっちりを喰らわないうちに退散した方が賢明だな。)

レオルドは暫くの間二人の様子を面白そうに見つめていたが、指をパチンと鳴らし静かに姿を消した。