エドガーとレオルドは、数時間ぶりに神殿の外へ出た。
その間に激しい吹雪はやみ、空には太陽が顔を出していた。


「ロニィ!」

エドガーが、扉の前の雪の固まりに駆け寄りそれを掘り起こした。
雪の下の毛皮のコートをもどかしそうにはぐると、ロニィの安らかな死に顔が覗いた。

「ロニィ…ごめん。少し時間がかかっちゃった。こんなに冷たくなっちゃって…待ちくたびれたよね…ホントにごめんね。」

エドガーは、ロニィの頭を膝に乗せ、彼の冷え切った頬を愛しげに撫でた。
レオルドは、彼女の小さな背中を見つめていたが、胸中は複雑だった。

「エドガー、…そろそろお前の願いを叶えてやりたいんだが…。」

レオルドの声に、弾かれたようにエドガーは顔を上げた。
そして、ニコリと微笑むと答えた。


「レオルド、僕の願いは…ロニィの魂を再び彼の体に戻して欲しいってこと…。お願い、ロニィを生き返らして!」

「馬鹿野郎!お前、正気か?そんな事をしてコイツが喜ぶと思うか?コイツの願いは、お前の呪いが解ける事…お前が幸せにならなくてどうする!」

「ごめんなさい。でも、ロニィのいないこの世界には幸せなんて存在しないんだ!ロニィには後でい~っぱい怒られるから…お願い!」