「嫌だ!嫌だ…絶対に嫌だーー!」


エドガーは剣の柄を握ると、躊躇うこと無くスラリと引き抜き身構えた。



『ふふふ…。我に剣を向けるか…ならば、お前も死ぬがよい!』



グッ…グググググッ


スルトの体が変化を始めた。
彼の半身は黒金の甲冑に覆われた騎士の姿に…だが、腰から下は節足動物の…まるでムカデのような無数の足がザワザワと石の床を掻いていた。


『呪われた乙女よ…何処からでもかかってくるがいい!』


スルトは、六本の手に四つの武器と二つの盾を構え、耳元まで裂けた口元を吊り上げ、ニヤリと笑った。