―もっと、刺激的な恋を。―

私に恋なんて無縁だと思ってたよ。
君に会うまでは…。

「夏海！」
「加奈！」
「夏海！同じクラスにカッコイイ男子、居た？」
「んー…」
カッコイイ男子…か…。
ん〜…
「夏海にはまだわかんないか〜？」
なんて言って幼なじみの加奈は笑ってる。
カッコイイ男子なんて…この世にいるの？
なーんて…。
「危ない!」
「え？」
「夏海!」
ぎゅっと目をつぶる。
…。
……あれ？
「大丈夫？」
優しい声がきこえる。
声のするほうを見る私。
「気をつけろよ〜！危ないじゃん！新入生の女子にあたったらどーすんだよ〜！」
「王子！ごめん！新入生の子もごめんね！」
王子…？王子って…助けてくれた人の事…だよね…？
「夏海、大丈夫？」
「あ…うん…大丈夫。」
「大丈夫？夏海ちゃん。」
「え？あ、はい…」
「よかった…」
そう言って微笑む王子？先輩。…先輩だよね…？
「あ、ごめんね、俺、俊哉。皆からは王子って呼ばれてるんだ。」
わ、すごい…笑顔が…
「王子様みたい…」
「え？」
「夏海?!」
え！あ、あたし…!!何言ってんの?!
絶対変な子って思われた…。
「あはは!」
「えっと…すみません…。」
「面白い子だね、君！」
なんて言って俊哉先輩は笑う。
「よろしくね、夏海ちゃん。」
「あ、はい。よ、よろしくお願いします…？」
絶対変な子だって思われた…。
このときはそんな事ばかり思ってた。