日曜日の昼下がり。

いつもの公園に行く日。

なんとなく気分が重たい。だって、また彼と彼女がぷーすけを散歩しているのに遭遇するかもしれないから。

本当は会いたい間宮さんがあの彼女と楽し気に歩いているところには遭遇したくはない。

想像しただけで胸の奥が鈍く軋む。

だけど、やっぱり融通の利かない私は先週借りてまだ一ページも開いていない小説をリュックに入れて公園に行くことにした。

その日は薄曇り。

最近半袖でも汗ばむ陽気が続いていたけれど、今日は風が少し冷たく感じた。

白い半そでTシャツの上から薄いイエローのカーディガンを羽織り、下は珍しくジーンズを履く。

昔から母にはいつもスカートを履いて女性らしくしなさいと言われていたから、ズボンなんかほとんど持っていなかった。

ズボンを履くと、確かに女性の気持ちが少し薄らぎ快活な気持ちになる。

ちょっとした衝動で走り出してしまいたくなるような。

いつも休日は下ろしていた髪も後ろにきゅっと束ね、キャップをかぶってみた。

鏡に映る自分が自分じゃないみたいに見える。

たまにはこんな格好もいいよね。

白いスニーカーに足を入れ、家を出ると公園に向かった。