甘くてやさしくて泣きたくなる~ちゃんと恋したい

そして、彼は続けた。

「申し訳ありません。僕は間宮樹です。間宮デザインでお世話になっている」

スマホを耳に当てたまま私の口がぽかーんと開いていく。

これはどういうこと?

私は今『パーソナル・サポート・エブリシング・М』の社長さんとお話してるんだよね?

間宮さんのことばかり考えすぎて、今のは幻聴なのかしら?

「あの、私、今誰としゃべってるんでしょうか?」

「驚かせてごめん。広瀬さんが失くした宛先に書いてある間宮樹」

「うそでしょ?どうして??」

これは私の幻聴ではない。

確かに、二度も間宮樹という名前を彼は口にしていた。

だけど、一体どうなってるの?

この社長さんが間宮さんだなんて?!

「ちょっとね、色々事情があって今二足のワラジを履いてるんだ。昼間は間宮デザインでデザイナー、そして夜はこのパーソナル・サポート・エブリシング・Mの社長をしてる」

私今、ずっとずっと思い焦がれている間宮さんと電話で繋がってるんだ。

なんだか魔法みたいなシチュエーションに、ふわふわしていた。

「驚いてるかもしれないけれど、僕もこの事態、まさに他人事ではないので放ってはおけない。今すぐなんとか手立てを打とう。いい?聞いてる?」

「は、はい!」

そうだった。今は間宮さんのことでほおけてる場合ではない。

私はなんとか自分の意識をもとに戻して大きく瞬きをした。