弥生はパニックになりながらも、ただ事ではない状況に咄嗟の判断で救急車を呼ぶ。
彼女の父親は急性脳内出血だった。
幸い、すぐにオペが行われて一命はとりとめたものの、左半身に麻痺が残り介護が必要な状態になってしまう。
父親が入っていた保険で金銭面の心配はなかったけれど、普段の家事に父親の介護が入ってきた弥生は心身ともに限界だった。
「だけど、そんなこと誰にも知られたくなかった。私はずるいの。そんな私のこと知って引かれるのも、同情されるのも、あんなに普段は笑ってるのに実はとんでもなく不幸な身の上の子だったんだなんて思われるのが」
泣きながら話す弥生の背中をさすりながら私も一緒に泣いていた。
あの日の彼女の涙の理由がわかったような気がした。
「弥生はずっと一人で耐えてきたんだね。すごい、すごいよ」
「そんなことないよ。だって、私、お父さんなんかどっかいっちゃえばいいのに、って何度も思ったことあるもん。最低なんだよ、本当最低!」
弥生は私に抱きついて声を上げて泣いた。
いつも皆のお日さまみたいにキラキラ輝いていた弥生の向こうにはずっと雨が降っていた。
「だけど、私は弥生の笑顔にいつも元気もらってた。きっと皆もそう。最低なんかじゃないよ。本当に最低だったら、弥生はこんなに皆から愛されない」
「本当?私、ここにいててもいい?」
弥生は鼻をすすりながらようやく顔を上げた。まるで幼い子供のように。
彼女の父親は急性脳内出血だった。
幸い、すぐにオペが行われて一命はとりとめたものの、左半身に麻痺が残り介護が必要な状態になってしまう。
父親が入っていた保険で金銭面の心配はなかったけれど、普段の家事に父親の介護が入ってきた弥生は心身ともに限界だった。
「だけど、そんなこと誰にも知られたくなかった。私はずるいの。そんな私のこと知って引かれるのも、同情されるのも、あんなに普段は笑ってるのに実はとんでもなく不幸な身の上の子だったんだなんて思われるのが」
泣きながら話す弥生の背中をさすりながら私も一緒に泣いていた。
あの日の彼女の涙の理由がわかったような気がした。
「弥生はずっと一人で耐えてきたんだね。すごい、すごいよ」
「そんなことないよ。だって、私、お父さんなんかどっかいっちゃえばいいのに、って何度も思ったことあるもん。最低なんだよ、本当最低!」
弥生は私に抱きついて声を上げて泣いた。
いつも皆のお日さまみたいにキラキラ輝いていた弥生の向こうにはずっと雨が降っていた。
「だけど、私は弥生の笑顔にいつも元気もらってた。きっと皆もそう。最低なんかじゃないよ。本当に最低だったら、弥生はこんなに皆から愛されない」
「本当?私、ここにいててもいい?」
弥生は鼻をすすりながらようやく顔を上げた。まるで幼い子供のように。



