甘くてやさしくて泣きたくなる~ちゃんと恋したい

彼の唇は私の唇から離れ、頬、顎、首すじへと下がっていく。

「あ、ち、ちょっと……」

思わず声が漏れて彼の肩を掴んだ。

だって、このまま、ひょっとしてこのまま私初めて彼に抱かれるの?

いきなりすぎて心の準備ってものが!

樹さんは潤んだ瞳で私を見つめながら困ったような顔で言った。

「まだ無理?」

「無理っていうか、心の準備が……」

「大丈夫だよ。優しくする」

「優しくって、あの、でも、今はちょっと無理……」

「僕もこれ以上待つのは無理」

そう言うと彼は再び私の唇を塞ぐ。
今度はもっと深く、長く、今までしたことがないような口づけ。

深いキスをしながら、彼の手が少しずつ私の体に触れていく。

誰にもまだ触れられたことがない場所まで。

くすぐったいような恥ずかしいような、切なくて泣きそうになりながら必死に堪えていたら樹さんがくすっと笑った。

「我慢しないで」

「え、あ?」

その直後彼が私の耳を優しく噛み、自分でも出したことがないくらい甘い声が漏れる。

「それでいい」

彼はそれを合図に捉えたかのように、そのまま私の更に奥深くまで唇と指を這わせていく。それはとても優しく、でも時に熱くて激しくなった。

堪えられないほどの思いが体の奥から溢れてくる。

彼が激しくなる時は、必死に彼にしがみつき子犬が鳴くような声が出た。

こんな自分、きっと彼以外見せられない。

見せたくない。

彼だから、どんなことも許せるし受け入れられる。