甘くてやさしくて泣きたくなる~ちゃんと恋したい

戻ってきた営業女性から手渡された入学手続きの書類に目を通し、必要事項に記入し印鑑を押した。

こんなことがあるんだ。

もう会えないと思っていた安友さんに再び出会えて、しかも私の行きたい学校の理事長だったなんて。

駅のホームで電車を待ってる間に樹さんに報告する。

『そうか。実は安友さんが専門学校の理事長だって話は聞いてたんだけどまさか凛が行きたかった学校の理事長だったとはね』

「しばらく忙しくなるけれど私がんばります」

『うん、三か月を一か月なんて相当大変だろうけど、凛なら大丈夫だよ』

彼に大丈夫って言ってもらえるだけで体の内から力が湧いてくる。

『来週から忙しくなるようだったら、しばらくゆっくり会えなくなるかもしれないね。今週末デートしよう。こちらの仕事も調整するよ』

「で、デート?」

『そんなに驚くことはないだろう?こないだクルーズデートもしたばかりじゃないか』

確かに。

でもあの時はデートっていう名目じゃなかったから。

ちゃんとしたデートに誘われたのは初めてかもしれない。

ドキドキ胸が震えた。

もう何度も抱きしめられてキスもしたのに、やっぱり二人きりで会えるときめきはいつまでも新鮮だった。

『場所は、僕が考えてもいい?』

「お願いします」

だって、樹さんが連れていってくれる場所はいつも素敵な場所ばかりだもの。

今度はどんな場所に連れていってくれるんだろう。

週末に会う約束をして電話を切った。