彼は水平線の遠くに視線を向けた。
「広瀬さんみたいな人、初めてだ」
初めてって、きっと他の人と違うからかもしれない。
だけど、その言い方はちっとも嫌じゃなかった。
間宮さんから何を言われても多分傷つくことはない。
それだけ今、彼のことを信頼しているし安心できる存在。
好きっていう気持ちだけでなく、一人の人間としてとても尊敬していたから。
その時海の方からいきなり強い風が吹き上げた。
帽子がその風に煽られ砂浜の方へ飛んでいく。
間宮さんがさっと走ってその帽子を取りにいってくれた。
そして空を見上げ眉をひそめる。
「急に雲行きが怪しくなってきたな」
私も彼の見上げる方向に顔を上げると水平線の上空にもくもくと黒い雲が沸き出ていた。
島の上の青空を少しずつその黒雲が侵食していく。
「あいつの勘が当たったかもしれない。ちょっと船に戻って無線で海斗に連絡とってみるよ」
間宮さんはそう言うと、颯爽と船の方へ戻っていった。
お天気崩れるのかな。
まだ来たばっかりなのに。
そういえば、あれ?
私は辺りを見回す。
ぷーすけがいない。
再び、冷たくて強い風が吹き上げ、島の木々を不気味に揺らした。
「広瀬さんみたいな人、初めてだ」
初めてって、きっと他の人と違うからかもしれない。
だけど、その言い方はちっとも嫌じゃなかった。
間宮さんから何を言われても多分傷つくことはない。
それだけ今、彼のことを信頼しているし安心できる存在。
好きっていう気持ちだけでなく、一人の人間としてとても尊敬していたから。
その時海の方からいきなり強い風が吹き上げた。
帽子がその風に煽られ砂浜の方へ飛んでいく。
間宮さんがさっと走ってその帽子を取りにいってくれた。
そして空を見上げ眉をひそめる。
「急に雲行きが怪しくなってきたな」
私も彼の見上げる方向に顔を上げると水平線の上空にもくもくと黒い雲が沸き出ていた。
島の上の青空を少しずつその黒雲が侵食していく。
「あいつの勘が当たったかもしれない。ちょっと船に戻って無線で海斗に連絡とってみるよ」
間宮さんはそう言うと、颯爽と船の方へ戻っていった。
お天気崩れるのかな。
まだ来たばっかりなのに。
そういえば、あれ?
私は辺りを見回す。
ぷーすけがいない。
再び、冷たくて強い風が吹き上げ、島の木々を不気味に揺らした。