甘くてやさしくて泣きたくなる~ちゃんと恋したい

確かに私がどこの誰かもきちんと伝えていなかった。

「販売部管理課の広瀬です。今日販売課で打ち合わせがあることは午前中聞いていたので……出しゃばったマネをしてしまいすみません!」

あー、私としたことが恥ずかしい。

管理課の分際で呼び止めた上に会議室に案内しようとするなんて。

しかも名乗ることも忘れて!

頭を下げたまま顔を上げられずに固まっていた私の肩がポンポンと軽く叩かれる。

「顔を上げて下さい」

彼の声が静かに耳に届いた。

恐る恐る顔を上げると、間宮さんはにっこり微笑んで私を見つめている。

ドクン。

あまりに優しい笑顔に体中に電気が走ったみたいな衝撃が走る。

なんなの、これは?

「出しゃばったマネだなんて、広瀬さんがいて下さって僕はとても助かりましたよ。早くつきすぎた僕が悪いのにそんな悲しそうな顔をしないで下さい」

悲しそうな顔してたんだ、私。

思わず自分の頬に右手を当てた。