一緒に暮らす前の話だけど。

病院で目が覚めたとき、イスに座ってベッドに伏せて寝る悠がいて、同じ様に綺麗な人だなって思った。

でも、夜通し側にいてくれたことに気付いたら、助けてもらったけどこれ以上迷惑をかけるなら死んでしまおうって考えちゃったんだよね。

「…………」

布団に潜って、悠の手を見つけると、そっと触れた。

……病院で寝てる悠が私の手を握ったままだった。

温かくて。

いろんな思いが込み上げて、死のうなんて考えは消えて、ただ泣いた。

……懐かしい。

今思えば、悠と一緒に居ようと思ったきっかけかも。

布団に潜ったまま、悠の大きい手を握った。

「ふふ、温かい……」

自然と笑みが溢れる。

でも、悠が起きる前に離れよう……。

布団から顔を出そうとした途端、ぐっと悠との距離が縮まった。

「!?」