……起きてないか。

転んで下敷きにしなくて良かった。

「はぁ……」

頭に、先程の那月の声が蘇る。

側にいてね、いなくならないでね。

「不可抗力だ、俺は何もしない、寝るだけ、そう、寝るだけだ」

言い訳を小さく並べる。

だって、もう、寝ないとキツイし。

せっかくのクリスマスを寝不足で過ごすなんて嫌だし。

「っ……」

起きたら殴られてもいい覚悟で那月の隣に寝転んだ。

胸元を掴まれているから、向き合う形で。

幼さの残る顔に残る涙の痕を拭った。

愛おしい寝顔を瞼に焼き付ける。

「……おやすみ」

目を閉じて眠りについた。