「…………迷惑だった?」

「全然。可愛かった……子どもみたいで」

つい漏れた本音に、慌てて言葉を付け足した。

「子ども扱いしないでよー……」

泣き止んできたのか、静かな声が返ってくる。

「はる……」

「ん?」

「……側にいてね、いなくならないでね」

小さな声でも、ハッキリと耳に届いた。

僅かな期待を含んで聞き返す。

「今日は、か?」

那月の首が横に振られる。

「ううん、ずっと」

ドキドキと胸の高鳴りを感じる。

「……わかった。那月の側にいるよ、約束な」

「うん、約束。ありがと……」

かくん、と那月の力が抜けて、俺の体に体重がかかる。

「はは……変わってないのか」