そんなマルオをお構いなしに、
 
 「俺の顔の事は置いておいて、これ見てよ‼ 春休みに撮ったヤツ、コンクールに出したらまた賞がもらえたんだよ‼ 優秀映像賞‼」

 蒼ちゃんは拓海とマルオと俺に、賞の詳細が表示されたタブレットを翳した。

 「おぉッ‼」

 俺ら3人の興味が一気に蒼ちゃんの顔からタブレットに移り、タブレットに飛びつく。

 選評には『魅力的な小物をとても上手に使いこなし、映像の作り方も独特で目を惹く。これからが楽しみな若手クリエイティブグループ』と書かれていた。
 
 「…魅力的な小物…?」

 マルオが嬉しそうに評価文を人差し指でなぞった。

 「これからも魅力的な小物造りをよろしくお願いします。マルオ先生‼」

 蒼ちゃんが、マルオにお辞儀をすると、

 「もう‼ やめてよ‼ 嬉しいから作っちゃうけども‼」

 マルオが満面の笑みを浮かべながら、蒼ちゃんの肩をパシンと叩いた。