「その『絶対』の根拠は?」
「俺が信じる俺だけの『絶対』に理屈も根拠も必要ない‼ 会いたいんだよ、どうしても。どうしてもどうしても、会いたい。みんなに会いたい」
蒼ちゃんが、今にも泣きそうに顔を歪めた。
「俺だけのって。その『絶対』に私を巻き込もうとしてるくせに」
ティッシュを差し出そうとボックスティッシュを蒼ちゃんの傍に置いてみたが、多分この人は涙を拭けない。ティッシュを持つことすら出来ない。
そっとそのティッシュを引っ込めようとした時、デスクの上でスマホが震えた。
ディスプレイに表示されたのは、【03】から始まる知らない番号。
電話に出るのに少し躊躇していると、
「早く出て‼ 大事な電話だから‼」
蒼ちゃんが、『切れちゃったらどうするの⁉ 早く早く‼』と私を急かした。



