僕等の、赤。


 「ウチ、仏教じゃなかったんで」

 「カトリック?」

 「イヤ、無宗教。でも四十九日はやってくれたみたいですけど。……神様によると」

 笑い続ける私に、苦虫を噛み潰したような表情で神様情報を口にする蒼ちゃん。

 「『神様によると』ね。ていうか、私にシナリオを代筆させてどうしたいの?」

 だけどどうしても笑い止めない。『神様』というワードで笑ってしまう私は、きっと天国には行けないだろう。

 「それを、岳海蒼丸に届けてほしい。メンバーを失って可哀想なグループって印象を払拭させる、楽しい話なんだ」

 「なるほど」

 「それと、代筆とは別にもうひとつお願いもあって」

 「何?」

 コーヒーを口に含みながら蒼ちゃんの話に耳を傾ける。