僕等の、赤。


 「【負担】かなぁ。私には実情は分からないけど、岳海蒼丸って傍からはめちゃめちゃ仲好さそうに見えてたんだけど……違うの? 蒼汰くんの姿が見えたら、大喜びすると思うけどな。まぁ、選ばれなかった2人は複雑だと思うけど。ていうか、私にしか見えてないってことなの⁉ あ、自分ばっかりごめんなさい。コーヒー飲みますか? お茶にしますか?」

 私はお喋りをする際、飲み物がないと落ち着かないタイプで、会話の最中によく飲み、よくトイレに行きがちだ。蒼ちゃんと話しながらコーヒーに手を伸ばした時、蒼ちゃんに何も用意していないことに気付いて、『なんて気の利かないババアなんだ』と自分に若干苛立ちながら席を立とうとすると、

 「お気遣いありがとうございます。でも、パソコンすら打てないのに、コーヒーカップなんて持てないです。話の続き、いいですか?」

 蒼ちゃんが両手の掌を私に向け、『座って座って』と、私が立ち上がろうとするのを止めた。

 蒼ちゃんの言葉に『それもそうか』と椅子に腰を下ろした。